記録的な酷暑が続く2025年、多摩エリアでも子どもたちの熱中症対策が急務となっています。立川市立第四中学校では6月30日から、登下校時などに「電動ファン付ウェア(空調服Ⓡ)」を希望生徒へ貸与する取り組みを開始。ファンで外気を取り込み、衣服内に風を循環させる“着るエアコン”は、リュックを背負っても背中に風が通るよう改良済みです。今回は同プログラムの概要と、全国で進む同様の暑熱対策事例をまとめてご紹介します。
目次
立川第四中の取り組みポイント
実施期間 | 実施校 | 概要 |
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2025年6月30日(月)〜9月中旬予定〈夏季休業日除く〉 | 立川市立立川第四中学校(東京都立川市幸町5-49-1) | 希望生徒へファン付きウェアを貸与。登下校のほか体育見学時にも使用可。帽子・日傘、水筒持参、体育着登校とあわせた多重対策。 |
なぜ“空調服”なのか?

- 熱中症リスクの高まり:7月上旬の東京都心は連日35 ℃前後を記録。徒歩通学が多い郊外校では早朝から体温が上昇しやすい。
- 教室外の冷房空白:体育館や校庭など屋外活動時にエアコンが使えないため、ウェアラブル冷却が有効。
- 動作性と安全性:既存モデルより薄型ファンを採用し、リュック装着時も背面に空気が流れるよう背面メッシュを追加。
多摩エリア・全国の類似事例
導入主体 | 対象/開始時期 | 内容 |
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菅公学生服(岡山) | 農業高校2校/2025年4〜5月 | ファン付きベストを“自由購入品”として導入。衣服内湿度を最大40%低減し、農業実習の安全を確保。 |
ユニフォームネット | 企業・学校向け/2025年夏 | スイッチひとつで冷却するペルチェ式「冷却ベスト」最新モデルを特集、デモ機貸し出しも実施。 |
東京・立川市広報サイト | 立川第四中/2025年7月 | 市公式サイトでも空調服貸与を詳細解説、PDFでメディア向け資料を公開。 |
トレンド解説
2024年時点で公立学校普通教室のエアコン設置率は95.7%まで達しましたが、体育館や屋外授業での暑熱対策は依然課題です。ファン付きウェアやペルチェベストなど“ウェアラブル冷却”は、教室外で移動・活動の多い中高生にとって有効なセーフティネットとして期待されています。
取材・参加のヒント
- 試着会を見学する
立川第四中では報道向けに着用シーンの撮影が可能。通学路上での使用感や生徒の声をチェックしてみては。 - メーカー視点を聞く
“空調服Ⓡ”を開発した㈱セフト研究所・㈱空調服は、猛暑対策展や教育関係展示会への出展経験も豊富。性能改善の裏側を取材すると記事に深みが出ます。 - 他校への波及効果を探る
菅公学生服の事例では、導入校の生徒アンケートや実験データが公開されています。効果検証を比較すると、導入ハードルや費用対効果を可視化できます。
まとめ
立川市の“空調服”貸与は、多摩エリアの学校現場でいよいよ始まったウェアラブル冷却の実証事例。暑さが厳しさを増す今夏、生徒の安全と学びを守る新たな選択肢として注目を集めています。多摩っちでは引き続き、地域の教育現場で進む猛暑対策を追いかけていきます。